心理学の種類・心理学者・日常で役立つ心理学と心理テストを紹介します。

menu

メンタル心理.net

認知的不協和

心理アニメ

人は時に矛盾を抱えることがあります。矛盾しているとわかっていながらも行動するということがあります。

しかしながら、矛盾というものは、基本的には気持ちの悪いものです。子どもに我慢が大切だと教育した直後に自分はお腹いっぱいにデザートを食べている姿を子どもに見られたら、気まずい気持ちになることでしょう。

心理学の世界でもこの矛盾と不快感に関する研究がされていますので、ご紹介します。

認知的不協和

社会心理学の用語に、認知的不協和という言葉があります。これは、自分の中の認知に矛盾が生じた時に不快感が出てくる状態を指します。

先ほど例に挙げたようなケースが該当します。

人は不快感から逃れようとしますので、この矛盾を解消しようとします。解消の具体例で有名なのがタバコに関する考え方ですので、ご紹介したいと思います。

認知的不協和の解消例

タバコを吸っている人がいるとします。また、タバコを吸い続けると肺がんになりやすいとその人が知るとします。

肺がんになって早死にしたくなかったらタバコを吸うことはやめるべきです。しかしタバコを吸いたいという気持ちもあり、板ばさみのような状態になっています。

この状態に人は不快感を覚えます。典型的な認知的不協和の状態なわけです。

さて、この状態からどうやったら抜け出せるでしょうか。

まず一つ目の方法は、シンプルに禁煙するということです。タバコを吸い続けると肺がんになるのなら、タバコを吸うのをやめるよう頑張ればいいのです。この方法をとることができれば、健全に認知的不協和を解消することができます。これができるなら話が早いですね。

しかし、現実はそうもいきません。そう簡単に禁煙できるなら、そもそも悩むこともなかったでしょう。

そこでもう一つの認知的不協和の解消法です。

タバコは肺がんになりやすく健康に悪いという認知を変えるのです。実は健康に悪いことはないのではないかと考えるという方法です。

肺がんで死ぬといってもタバコの影響はたかがしれているだとか、タバコをバリバリ吸っても長生きしている人はたくさんいるだとか、交通事故で死ぬより確率の低いことだなどと理由をつけて自分の考えを変えるわけです。タバコは吸ってもなんとかなるという風に認知を変えることができたなら、タバコを吸い続けることに問題はありません。

認知の矛盾を自分の心の中で解消したことになりますので、認知的不協和も解消されたことになります。

認知的不協和の実験

認知的不協和で以下のような実験があります。

参加者につまらない作業をさせて、報酬を与えます。

さらに、次の作業グループに、作業は楽しいものだったと伝えるという課題が与えられました。

ここで報酬を充分に与えられた参加者は楽しいと伝えることをあまりせずに、報酬をあまりもらえなかった参加者の方が楽しさを伝えようと頑張ったのです。

これは、つまらない作業を楽しいと伝えるという認知的不協和を解消するために、楽しい作業だったと思い込むために、楽しさを伝えようとしたのだと考えられます。

報酬を多くもらった人は、つまらない作業の対価を充分にもらったことになり、満足感があるため不協和があまり出なかったようです。

まとめ

認知的不協和とは、心の中で生じた認知の矛盾から来る不快感がある状態のことを指します。人は認知を修正することで、この不快感を解消しようとする性質があります。防衛機制の合理化なども、この認知的不協和を解消しようとする心の働きであると思われます。

関連記事