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学習の転移

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野球の経験がある人がソフトボールを始めた場合、全くの未経験の人よりも上達が速いと思います。また、将棋の経験がある人がチェスを始めると、何もボードゲームをしたことがない人に比べて、上達は速いと思われます。

このように、それそのものはやったことがなくても、過去の経験から、上達のスピードに影響があることがあります。

今回の心理学用語は学習の転移です。

転移と聞くと、心理学に興味がある人だと、カウンセリングや精神医学における転移をイメージして、お、っと思うでしょうが、今回の転移は、その転移とはまた異なる転移です。

ものごとの上達に関する、学習の転移とは一体どのようなことを指すのでしょうか。

学習の転移

学習の転移とは以前学習した内容が、別の内容の学習に影響を及ぼすことを指します。学習したことが別のものごとに移った、すなわち転移したという意味になります。

具体的な例としては、先ほどの例で挙げたように、野球をしていた人がソフトボールの上達が速いというものがあります。このように、学習に対して、いい方向に働く学習の転移を、正の転移と言います。

逆に、ゴルフをやっていたために野球の上達が遅くなってしまったということが起こったら、それは負の転移と言います。

以前の学習がプラスに作用するケースもあれば、マイナスに作用するケースもあるわけです。

また、両側性転移をいう、体の片方で行っていたことが、体のもう片方側に影響するというケースもあります。この両側性転移については、ある実験があるのでご紹介します。

両側性転移に関する実験

星の形が書かれた紙を用意します。次にその星を指でなぞるという作業をします。

ただ紙を見てなぞることはとても簡単です。そこで、紙の横に鏡を置きます。鏡で紙を映し出し、紙の方は見ずに鏡を見て星をなぞるわけです。

鏡に映っているものをなぞるという作業は簡単なようで意外と難しいです。自分が思ったとおりにいかないです。みんななぞることに苦労します。

これをなんと、利き手と逆の手で作業します。ただでさえ苦労しそうな作業ですから、利き手でない方でやると、とてつもなく苦労しそうですよね。

ここで利き手と逆の手で星をなぞる平均スピードが同じグループを2つ用意しましょう。

片方は利き手でずっと練習をして、最後に利き手と逆の手で星をなぞります。

片方は利き手と逆の手で繰り返し練習をして、最後も利き手と逆の手で星をなぞります。

さて、練習の結果はどうなったのでしょうか。

なんと、どちらも同じだけ平均スピードが上昇したのでした。

利き手と逆の手で練習し続けたらタイムが向上するのは理解できますよね。繰り返して上手になったわけです。

しかし、利き手で練習しても、利き手と逆の手でのタイムが向上しているのです。利き手で練習をしたことが、利き手と逆の手に影響を及ぼしたんですね。

このように、体の反対側に対しても学習は転移します。

まとめ

学習の転移とは、過去の学習が、別のものごとに対して影響を与えることを言います。過去の学習がプラスに働くのを正の転移、逆に学習の妨害になることを負の転移と言います。

また、学習の転移は体の左右でも起こります。利き手で練習をしたことで、利き手と逆側の能力に影響を与えることが確認されています。

このように、あることを学習することが他の学習にも影響を与えます。教育の分野でもこの現象を元に、指導方法が考えられています。

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