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心理学者ワトソンやピアジェの心理的な考え方と明言

心がどのように感じ、何を感じるかを、自分に問いかける方法が主流であった心理学会に、違ったアプローチから旋風を巻き起こした心理学者、ワトソンについて、今回は掘り下げます。

心を扱うデリケートな学問であるため、柔らかくじっくり研究するイメージがある中で、「自分に生後まもない子供を与えてくれたら、いかなる人間にも育ててみせよう」とまで豪語した、一風変わった心理学者であり、その発言や唱えた説もエッジの利いた、ワトソンとはどのような心理学者だったのでしょうか。

ジョン・ワトソンとは

1878年~1958年、アメリカの、心理学者で、行動心理学の創始者。1938年、コロンビア大学にて、自然科学としての心理学(行動主義)を提唱しました。
アルバート坊やの実験

ワトソンは、人間の心理は、必ず行動に出るとともに、行動に出ないものは心理とは言えないという、それまでの心理学とは一線を画す、行動心理学を打ち立てました。刺激や反応から心理を分析する為に実施した実験が、「アルバート坊やの実験」です。

シロネズミに全く抵抗のないアルバート坊やにシロネズミを与え、触ろうとすると大きな音を出す事を繰り返しました。するとアルバート坊やはシロネズミを怖がるようになり、それどころか毛で覆われた小動物すべてを怖がるようになりました。

この行動心理学は、パブロフの条件反射(パブロフの犬)からも影響を受けており、ワトソンは「環境こそが人間を決める」という説を、この実験で証明しました。
人間を決めるのは遺伝子か環境か

「私に1ダースの生まれたばかりの子供と、彼らを養育するための環境を与えてくれれば、そのうちの一人をランダムにとりあげ、その子を訓練して、私が選ぶ専門家-医師、法律家、芸術家、実業家、さらには、こじき、泥棒にさえもしてみせよう。その子の祖先の才能、好み、傾向、適正、能力がどうであろうと」とワトソンは豪語します。

生まれた素質は関係なく、どういった環境で育ちどんな経験をすかるが人間を決めると説き、革新的思想を心理学会放ちます。しかしながら、当時の「人間を決めるのは遺伝子か環境か」という論争において、極端な環境主義の立場をとっており、刺激と行動の間にある、心理的な作用をまったく加味しない極端な説に異論を唱える心理学者も多くいました。
極論の果て

極論によりたたかれた結果なのかは不明ですが、その後ワトソンは、大学をクビになり、広告会社で働き始めます。

この広告の世界に、お得意の行動心理学を投影させ生まれたのが、マーケティング心理学です。

広告は「愛情・恐怖・怒り」のいずれかに訴えかけるべきだと説くと同時に、マーケティングリサーチによる科学的なアプローチを広告に導入しました。ここから今も続くマーケティングリサーチの歴史が始まります。
最後に

心理学でありあながら、心は二の次、行動がすべてを決めると言われると、なんだか怖い気がしますね。

朝起きて、何気なくしてしまっている行動も、人格に左右するのだと思うと、うかつに動けなくなりそうですが、もちろんそれも自分の人格に影響しつつ、それだけではない影響があるとは思いますが、まったく自分の心なのに自分では何一つわからない、厄介な存在です。

「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、遠く離れた異国の地で、それを実証する説を唱えたのが、今回紹介する心理学者ピアジェです。

たくさんの子供とコミニュケーションをとってみて、「子供には子供の世界があるはず」と気づき、それ以降は生涯をかけて子供たちからの話を聞き、幼児教育における発達心理学を体現化していきました。

では、現在の幼児教育にも多大な影響を与えたピアジェについてお話ししていきます。

ジャン・ピアジェ

1896年~1980年、スイスの先駆的哲学者であり、心理学者。20世紀において、もっとも影響力が大きかった心理学者の一人。特に幼児教育の分野では、多大な功績を残しました。
子供は、小さな大人ではない?!

ピアジェは、1対1で「質問」と「診断」を行う臨床的検証で、生涯をかけて子供の言う事を聞き、そして児童心理学の報告文献を読みました。その結果わかったことは、”子供は大人とは全く違う考え方をする”事を発見し、大人の観点から決めつける事は間違っていると指摘しました。そして、その結果を受けて、子供の「認識論」を体現化します。その内容は、

「自発性」・・・子供は、自ら見つけた問題や課題について考える力を持っている

「自己中心性」・・・大人のように客観的に考えることができない

すなわち、大人と同じように考えると、全く子供の事は理解できなくなると唱えました。
正しいことを教えることは間違っている?!

子供と話をしていると、「さっきまであの話をしていたのに、いつのまにか違う話になって」いたり、全く支離滅裂なストーリーを生み出したり、あまりの想像力の広さに関心させられることがよくあります。

ピアジェは、この荒唐無稽な思考は、独自のプロセスがあり、その中で何かを体現し、そして検証し、違う行動に出る、それは小さい科学者そのものではないかと考えるようになりました。

大人とは全く違う思考プロセスなのであれば、大人が考えだした「正しい事」を暗記させるのは、間違っているのではないか・・・小さな科学者である子供たちは、独自の観点で結論を導き出し、そして大人に自慢します。答えの正解不正解はもはや問題ではなく、独自に構築した理論が大切であり、「その答えは間違っている」という事実を覚えさせるのは、全くもって無意味かもしれませんね。

大人が正解を性急に教えるという事は、理論を組み立てて考える機会を奪っている事にほかなりません。せっかくなら、理論を具現化する方法を教えれば、正解は自然とついてきます。
最後に

子供たちの事を、こんなに深く理解をもって研究した成果は、今の児童心理学に大いなる影響を与えています。

特に日本では、最近になってディスカッションから答えを導き出したり、様々な方向性の理論から何かを導き出す講義が取り入れられ始めました。しかしながら以前は、正解をまず教え、その記憶力によって頭の良し悪しが決まるといっても過言ではなく、その結果、有名国立大学を出ても、全く社会で通用しない若者が生み出される結果となりました。

いずれいせよ、これから子供を育てる方には、ぜひ時間の余裕をもって、理論を組み立てる訓練に付き添ってあげてほしいものです(と自分にも言い聞かせていますが・・・)

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