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群れの不気味さ・・・ル・ボン

心理アニメ

振り返ってみると、日本において大勢が何かの目的で集まって行われるものといえば、一番に思いつくのが労使交渉などのデモ行進であり、ここでも几帳面に一列に並んで行進する日本らしさを垣間見たものでした。

しかし、最近はテレビのニュースなどを見ると、海外の映像でも見ているように、サッカーの試合であったり、ハロウィンの仮装であったり、「大勢で楽しく盛り上がる」というざっくりとした目的で多くの人が集まり、お酒を飲み、暴力沙汰で警察が出動したり、挙句には放置されたごみ収集のボランティアがいたりと、群衆の悪い面だけが最後に露呈しています。

このような、群衆がもたらす恐ろしさについて警鐘を鳴らしたのが、心理学者ギュスターヴ・ル・ボンです。彼は群衆の恐ろしさをどのように唱えているか、見ていきましょう。

【ギュスターヴ・ル・ボン】

1841年~1931年、フランスの心理学者であり、物理学者・社会学者。彼の発表した群集心理学は、社会心理学に大きな影響をを及ぼしました。
なぜ群れた時だけ

世界的によく見られる、民族紛争やヘイトスピーチなど、群衆により暴力的な行動が後を絶ちません。そして平和な日本でも、このような群衆による事件なども聞かれるようになりました。

例えば、ニュースなどで見かける、町の街灯やごみ箱を蹴飛ばして破壊したり、暴力行為で現行犯逮捕された人が、普段から同じようにしているかというと、そうではないですよね。なのに大勢の中では、しかもかなり頻繁にそういった事が起こります。

ル・ボンはその点に着目し、人はなぜ、一人ではしないような衝動的かつ非合理な行動を群衆になったとたんにしてしまうのか、フランス革命やナポレオン戦争などを題材に、分析しました。
群衆の特徴

群衆の中には、有名大学生・主婦・会社員・学者・社長、様々な知性と教養を持ち合わせた人たちもいるはずですが、結果群衆として表面化されることは、そんな知性のかけらも見えないような俗悪的な行為に満ちているのはなぜでしょうか・・・。群衆の中ではどのような心理が働いているのでしょうか。ル・ボンはそんな群衆の特徴を分析しています。

誰かが何かの不満を群衆に向けて叫んだとします。

すると、その内容は善悪の判断を超え、感情的に感染し始めます。群衆の中ではモラルが最低レベルに下がり、衝動的に行動しやすくなるため、石や火を投げるなどの非合理的行動が出てきます。その行為から発せられた感情や喜怒哀楽が伝染し、ここで全体をあおる支持者が全員に向かって叫び出すと、興奮状態かつ、匿名の心理により責任感がなくなる為、個人の判断がつかず、暗示にかかりやすくなります

・・・そして、悪意に満ちた群衆の出来上がりというわけです。
最後に

中には、こんな平和な日本でそんな事は起こらないだろう、とお考えの方もいるかもしれません。

しかし侮るなかれ、ル・ボンが「群衆は私達の生活とはかけ離れた特殊な状況にあるのではなく、私達ひとりひとりの日常と繋がった先にあるもの」と説いているように、近くで発生するかもしれませんし、気づけば自分が加わっている事も・・・。

現代人は、様々なストレスにさらされ、たまには大声を出したくなる時もありますが、せっかく参加するなら、「音楽フェス」などの、音楽という軸を中心に楽しいストレス発散ができる群衆に参加したいものです。

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