27Mar

職場でストレスを感じている人がとても多いです。
以前過労死が話題になり、近年はブラック企業という言葉が有名になりました。
職場での過酷な勤務やストレスは高い関心を集めています。
現実的に職場でのストレスが原因で、うつ病になり転職を余儀なくされた人もたくさんいます。
この職場のストレスですが、どうにか対策する方法はないのでしょうか。
もしもちょっとした工夫でストレスが軽減されるなら、やってみたいところです。
部下のストレスに頭を悩ませている上司の方も、職場でうまくいかずストレスがたまっている新入社員も、ある言葉を意識すればストレスがぐっと減り気分が楽になります。
その言葉はコントロール感です。
心理学コントロール感とは
コントロール感とは、言葉の通り、自分で、あることを制御できていると思える感覚のことです。
このコントロール感があるのとないのとではストレスに大きく影響することは心理学の研究で明らかになっています。
基本的に職場のストレスは、負担の大きい仕事をしていると溜まるものです。
これは誰しも経験的に納得できると思います。
ところがコントロール感があるのとないのとではストレスの感じ方が全く違うのです。
コントロール感を感じていると、ストレスが溜まりにくい傾向にあることがわかっています。
つまり一番ストレスが溜まる状況は、負担の大きい仕事をしていて、自分ではどうしようもない、自分でやっているという感覚を得られないという状況です。
この状態が続くとストレスがどんどん増えていき、やがてうつ病などの病気へとつながります。
ストレス対策としては、仕事の負担を減らすことができればいいのですが、現実的に難しいこともあります。
もしもあなたが上司なら、部下にコントロール感を与えて、仕事をさせてみるのです。
仕事を任せるわけですね。
そうすることで任せられた人の気持ちは楽になります。
ある程度自由に任せて、意見を尊重する機会を増やすだけでストレスは大きく軽減されるでしょう。
また、もしもあなたが自分でストレスを減らしたいならば、今の仕事で自分ができることは何かないかよく考えることです。
自分で制御できること、工夫できることは何かないかよく考えて、見つけたら自分なりに取り組んでみましょう。
うまくいけばストレス解消へとつながって仕事が楽しくなるかもしれません。
どうしてもつらい時は相談を
コントロール感に注目すると職場のストレスが軽減されることがわかりました。
ただしコントロール感も万能ではありません。
どうしてもストレスがひどい時は上司や同僚、カウンセラーや医者など自分が相談できる相手を見つけて相談しましょう。
場合によっては転職も必要かもしれません。
自分一人で抱え込まずに、人に頼ることも、時には大切となります。
心理学は古くから様々な実験が行われてきました。
それらの実験は決して机上の空論ではなく、私達の生活にも応用することができます。
心理学の用語、理論を学ぶことで対人関係のコミュニケーションのコツをつかみましょう。
今回ご紹介する心理学の用語は、単純接触効果です。
単純接触効果とは
単純接触効果とは、簡単に言うと、接触する回数が増えるとその人や物に対する好感度が上がっていくという意味の用語です。
特別に好感度が上がるようなことをされなくても、接触回数が増えることで、その人や物に親近感を覚えるようになり、心理的な距離が近くなるわけです。
また、単純接触効果は人間だけでなく言語にも適用され、ある実験では、日常でよく使われる単語は、そうでない単語に比べて好意度が高かったそうです。
単語の使用頻度と好意度に正の相関があるそうです。
さて、この単純接触効果を対人関係に応用するにはどうしたらいいでしょうか。
コミュニケーションの回数を増やそう
あなたが親密になりたいと思った人がいたら、コミュニケーションの回数を増やすように意識してみましょう。
単純接触効果によると、その人と関わる回数が増えれば増えるほど、好意的に思ってもらえる可能性が高まります。
そのためにはまずは挨拶です。
挨拶はコミュニケーションの基本です。
挨拶をして声をかけて接触する回数を増やすことで、自然に親近感をわかせるわけです。
人によっては当たり前だと思うかもしれませんが、意外とこういったことができていない人もいるものです。
他には、何気ない雑談をしたり、相手が何か困ってそうだったら積極的に声をかけるなどして、コミュニケーションの回数を増やしていきましょう。
また、この単純接触効果を提唱した学者によると、人間味があるところを見せると、親近感が増すそうです。
よって変に気負って無理をするのではなく、会話の回数を増やす意識だけ持って、自然なコミュニケーションを心がけるといいでしょう。
逆効果になることもあるからご注意
実は1点だけ注意すべきことがあります。
それは、もしも最初の段階で印象が悪いと、接触すればするほど好感度が落ちていく危険性があるということです。
逆効果になることもあるわけですね。
明らかに相手がこちらのことを良く思っていない時は、無理にトークする機会を増やさない方が無難かもしれません。
相手がこちらに偏見を持っている時は、何を言っても、悪く受け取られるものです。
そんな時は挨拶など、こちらの印象が落ちる危険性が少ない行動で接触回数を増やしたり、1対1のコミュニケーションではなく、多対多のコミュニケーションを利用して印象を改善するように努めるといいでしょう。