29Mar

タイトルを見て栄光浴?と思った人も多いと思います。
あまり聞かない単語ですよね。
中には栄光欲の誤変換かと思った人もいたのではないでしょうか。
そうではありません。
栄光浴という言葉が心理学の世界には存在するのです。
栄光浴とは
栄光浴とは、文字通り、栄光を浴びる行為を指します。
具体的には、自分はイチロー選手と同じ誕生日だとか、スケートの羽生選手の元同級生だというように、高い価値を持つ素晴らしい人と関係があることを自慢する行為のことです。
他者の栄光を語り、それが自分と関係あると語ることで自慢するわけです。
それが誕生日が同じといったある意味のこじつけのような関係だったとしても栄光浴はなされます。
この栄光浴は自慢だけあって、自尊感情を高めます。
人の栄光で自分まで偉くなったように感じて気分良くなるわけですね。
こう言うと、こんなことをする人間はしょうもないように見えてしまいますが、有名な芸能人が自分の母校出身だったらなんかいい気分に感じたり、自分の県の学校がスポーツで全国優勝したら関係なくてもなんか嬉しくなりませんか。
そういった気持ちも、栄光浴をしたくなる心理に影響しているのでしょう。
いつも自尊感情が高まるわけではない
では自分と関係がある人間の成功は、何でも自尊感情の高まりに影響するのでしょうか。
実はそうではありません。
逆に自尊感情が低くなるケースもあります。
例えば自分が勉強がとてもでき、自信がある生徒だとしましょう。
クラスメートが自分よりいい成績をとり、全国のテストで上位だったとします。
この場合、そのクラスメートで栄光浴することはありません。
逆にクラスメートの成功に複雑な心情を抱くことでしょう。
実は自尊感情が高まるかどうかは、その人との心理的な距離と自分にとっての内容の重要度が関連するのです。
心理的な距離と内容の重要度の関係とは
相手の心理的な距離とその内容が自分にとってどれだけ重要かによって自尊感情が高くなるか低くなるか決まります。
以下に関係をまとめましたのでご覧ください。
1.心理的な距離が遠い+自分にとって内容が重要
→自尊感情は高まる
例えば野球に興味ある人にとって日本人メジャーリーガーの活躍は誇らしいものです。
そのメジャーリーガーと自分に何かしらの関係があったら栄光浴をすることでしょう。
2.心理的な距離が遠い+自分にとって内容が重要でない
→自尊感情は変わらない
興味がないため、何も感じないようです。
3。心理的な距離が近い+自分にとって内容が重要
→自尊感情は低くなる
先の勉強の例のようなケースです。
嫉妬などの感情も生まれると思われます。
自分よりも身近な人間が大成功したら、複雑な気持ちになりやすいです。
4心理的な距離が近い+自分にとって内容が重要でない
→自尊感情は高まる
勉強の例でいくと、クラスメートの成功でも、自分と無縁な部活で全国優勝したなどの知らせだと嬉しく感じ、自尊感情は高まります。
栄光浴しそうなケースになります。
以上です。
他人の成功が必ずしも栄光浴や自尊感情の高まりにつながるわけではないんですね。
いずれにせよ、他人の成功を素直に喜べる人になりたいものですね。