27Mar

突然ですが、皆さんは自分のことを残虐な人間だと思いますか。
いやいや痛いのは苦手だしひどいことなんて絶対にできませんよと言う人も多いと思います。
では残虐なことをする人は、その人自身に何か問題があるのでしょうか。
もちろんその場合もあると思いますが、平凡な一般市民が残虐なことをしてしまうことも充分にありえるのです。
自分は真面目で大人しい普通の人間だと思っている人が、普段の自分からは想像もできないことをやってしまう。
そんなことが現実に起こる可能性があるのです。
アイヒマン実験
心理学の実験でとても有名な実験があります。
名前をアイヒマン実験だとか、ミルグラムの実験などと言います。
この実験では参加者を生徒役と教師役に分けて行いました。
生徒役はある課題を行い、間違えると罰を与えられます。
教師役は生徒役に罰を与えます。
その罰というのは電気ショックです。
ただしその強さには段階があり、軽微なものから始まり、段々と強くなり、死にいたるレベルまで用意されています。
生徒が間違える度に教師役は電気ショックを与えるわけですが、徐々にその強さを強くするように心理学者から言われます。
強いレベルの電気ショックが与えられると、当然生徒役は悲鳴をあげます。
もう耐えられない、やめてくれなどと叫び、やがて声がなくなるのです。
さて、この実験にあなたが教師役で参加したとしたら、あなたはどのように行動しますか。
電気ショックを言われるがままに与えますか。
軽微なものならともかく、悲鳴をあげるレベルの電気ショックを与えることはできない、自分はその時点またはその前に確実に実験をやめるように心理学者に言うだろうと考えるのではないでしょうか。
ところが、この実験は、恐るべき結果を生み出したのでした。
アイヒマン実験の結果は
実は、なんと教師役の六割もの人が、生徒役に対して、死にいたるレベルの電気ショックを与えてしまったのです。
もちろんこの実験はサクラが用意されており、生徒役と心理学者はグルで悲鳴は演技でした。
しかしながら教師役はそんなことは知りません。
よって、教師役の人は、実質人が死ぬような電気を言われるがままに流したことになります。
実験の途中で、生徒役は大丈夫なのかと問いかける人はいました。
ですが、そういった人たちも、心理学者にこの実験は必要なものなのだ大丈夫だと言われると、たとえ悲鳴が聞こえていようが異常を感じていようが、電気を流し続けたのです。
この実験に参加した人たちは普通の人たちです。
決して私達が想像するような異常者ではありません。
そんな人たちが、人を殺すかもしれない電気ショックを与えるように命令されると、言う事を聞いてしまったわけです。
服従は人を変える
この実験から、平凡な人も服従をしている状況では残虐な行為をしてしまうと言うことができます。
実験とはいえとても恐ろしいですね。
逆らえない状況、相手が権威ある人間であると人は、間違った行動をあっさりとしてしまう危険があるというお話でした。