31Mar

人というものはそれぞれ自分の意見というものを持っています。
しかし、人間の心はとても弱いです。
時には、明らかに間違えていると心の中で思っていても、その間違いの意見を正しいと言ってしまうこともあります。
今回はそんな人間の心理に関するお話です。
同調という心理
人は周りの人間にあわせようという意識があります。
トラブルを起こしたくないという気持ちもあるでしょうし、自分が普通でいたい、おかしくない存在でいたいという無意識の願望が影響している場合もあるでしょう。
人がまわりの意見にあわせようとすることを同調行動と言います。
この同調でおもしろい実験があるのでご紹介します。
ある実験で8名の参加者に3つの線を見せました。
そしてどの線が一番長いか答えさせました。
実はこの8人のうち7人はサクラで、7人全員にわざと間違えの答えを答えさせたのです。
そうすると、1人の参加者は、サクラの意見が明らかに間違っているのにも関わらず、周りの意見にあわせて間違えた答え、つまりサクラの答えと同じ答えを答えたのです。
参加者は周りの意見に同調行動をしてしまったんですね。
このような実験を複数回やり、もちろんサクラに惑わされずに正しい答えを言える人もたくさんいました。
しかし、三割程度の人たちはサクラの圧力に屈して、間違えた答えを答えてしまったのです。
この間違えた答えを言ってしまった参加者は内心おかしいと思っていたはずです。
サクラをなくして参加者一人のみで同じ問題を出した実験では、間違えた人は1人もいませんでした。
つまり、わからない人はいない質問なのです。
みんな正しい答えがわかっているのです。
しかし、一緒に答える人たちが違う答えを言ったという事実だけで、簡単に間違えの選択肢を選んでしまったわけです。
他人の目ばかり気にしていませんか
このような簡単な状況の実験でさえ、人は同調の圧力に屈して、明らかに間違えている意見を言ってしまうのです。
日常生活では、なおさらこの同調行動は現れることでしょう。
会社や部活など上下関係がある場所では特にそうだと思います。
他人の目を気にして、自分の意見をろくに言えないということはありませんか。
もちろん、問題を起こしては大変なので人にあわせることは大切です。
しかし、明らかに間違っている、おかしいと思っていることも周りにあわせてはいませんか。
時にはそれは違うと思うと言う勇気も必要です。
自分のことを信じて、同調の圧力に屈しないこともとても大切なことだと思います。