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ソーンダイクとは・注意欠陥多動性障害と適応障害の症状や治療方法

心理

「苦節三年、試行錯誤の末、やっと実現しました」・・・あの手この手で色々試してやっと結果が出た時に使うこの「試行錯誤」。行動は、繰り返すたびに研ぎ澄まされ、無駄な動きが少なくなっていくと唱えた学者、ソーンダイクについて今回はお話しします。

パブロフやワトソンなど、行動心理学に携わった学者はたくさんいて、いずれも実験によって唱えた説を実証していますが、この「試行錯誤」という概念は、教育にも大きく影響する学説であり、現代でも普通に使われる用語です。

そんなソーンダイクについて、ご紹介していきましょう。

【エドワード・L・ソーンダイク】

1874年~1949年、アメリカの心理学者。1903年に教育心理学を3刊の大著で発行するなど、教育に関する心理学に深く関わり、「試行錯誤説」が有名です。
いいことは繰り返したくなる

ソーンダイクは、人は繰り返し同じ行動を繰り返す事で、無駄な動作が軽減され、結果が出るまでの時間も短縮されるという「試行錯誤説」を説いています。

これを証明するする為、「猫の問題箱」という実験を行いました。

空腹のネコを箱に入れて、箱の外にネコの好物を置いておいたら、どのようにネコは箱から脱出するか、脱出するまでの時間を観測しながら観察する実験です。すると、実験を繰り返すうちに、ネコの無駄な行動は少なくなり、脱出するまでの時間が短縮されるという結果が得られました。

この実験から、好ましい結果が出た行動は繰り返され(快の法則)、好ましくない行動は敬遠されます(不快の法則)。そして、良い結果がでた行動は強く結びついて繰り返されるという、効果の法則によって、動きと時間がスマートになったと考えました。
反復かひらめきか

このソーンダイクに異論を唱えたのが、ドイツの心理学者、ケーラーです。

ケーラーは、チンパンジーの部屋の天井からバナナを吊るし、同じ部屋に踏み台や道具も用意した時、チンパンジーはどのようにバナナをとるかの実験をしたら、繰り返すことなく一発でバナナをとれたことから、ひらめきで問題解決したという「洞察学習」を唱えています。

・・・現代から考えると、「どちらも状況によってあるかな」と思いますし、実験の条件が違い過ぎて、比較するのはいかがなものかなと思ってしまいますね。

その後、トールマンは、試行錯誤説と洞察学習説の両方を統合した「認知地図説」にて、環境から学習した認知地図を心の中に作成し、この地図を元に潜在的に学習する「潜在学習」という説を唱えています。

こうして、実験・結果・分析・異論を繰り返し、現在に至るんですね。
最後に

ソーンダイクはそのほかにも、「準備ができているほうが、そうでない時よりも能率的に習得できる」とする、すなわち、足し算を習っていないのに掛け算割り算を教えてもまったく習得できず、それなりの準備が整える必要があるという”レディネスの法則”も唱えています。

このように、ソーンダークは、現代の教育や学習の習得に大きく影響する説を多く生み出しています。勉強には「それなりのやり方がある」と言われますが、ソーンダイクの説をたどっていくと、勉強嫌いの子供たちに一石を投じられるかもしれませんね。

注意欠陥多動性障害という言葉を耳にしたことがありますか。通常、ADHDと呼ばれている疾患のことです。興味があることには集中可能ですが、嫌いなことやよくわからないことに対しては関心を示さずに落ち着きを欠く子どもがいます。そういった子も大多数は年数が経ち、月齢が大きくなるにつれて落ち着いていく子が多いです。しかし、小学校の高学年になっても、様子が変わらずに落ち着かないといった子どもさんの場合には、ADHDといった診断が疑われます。

注意欠陥多動性障害の症状について

注意のなさや過活動性や衝動性などがみられます。注意のなさについては、注意の持続時間が少ないといった特徴がありますが、注意が散漫になってしまうといった特徴も含みます。学校の教室などでは離席が多く立ち上がってしまうといった行動がみられます。また立ち上がらなくとも手足をもぞもぞと動かしたりするお子さんもいます。衝動性については、順番が待てなかったり他人の行動に割り込んだりするといった特徴があります。注意欠陥だけの症状しかない人もいますし、注意欠陥と多動性の両方を症状としてもつ人もいます。一般的に歯、年齢が上がるにつれて多動性については目立たなくなる傾向にあります。しかし、注意のなさなどは年齢があがっても症状として残ることがあります。

注意欠陥多動性障害の原因について

最初に報告された報告例が脳炎の後遺症でした。したがって、極端な栄養障害や頭部外傷の後遺症、一酸化炭素中毒、鉛の慢性中毒といった原因が推測されるケースもあるようです。また低体重児出産、新生児仮死、重症黄疸といった周産期の異常が原因になっているケースもあるといわれています。しかし、こういった原因を特定できるケースはとても稀であり、一般的には脳の機能性障害が疑われます。発達的にも後天的にはっきりとした原因を特定できないケースも多くあります。

注意欠陥多動性障害の薬物療法について

必ずではありませんが、薬物療法が検討されることがあります。以前より中枢神経刺激薬が多動や集中力の改善に有効であるといわれていました。現在も第一の選択肢となっています。ただし、副作用等があるといわれており、服薬は医師の指導の下管理される必要があります。加えて薬の効果は通常数時間なので、学習時間や睡眠時間などを考慮したうえで服薬の時間を決めていく必要があります。

注意欠陥多動性障害の治療について

上記の薬物療法のほか、心理療法も検討されることがあります。注意欠陥や多動性といった症状に直接手を加えて、適切な行動を強化していくといった行動療法的アプローチがとられることが多いです。しかし、こういった症状に直接関わるのではなく、注意欠陥多動性障害をもっているからこそ、悩み傷ついた心を癒し、子どもの精神的な健康を促進するための心理治療を行うこともあります。注意欠陥多動性障害をうまく理解してもらえないと、本人がふざけているとか怠けているといった評価を受けることがあります。それによって自己評価の低下や自信喪失、自己卑下などにより、正常な自我の発達が阻害されてしまうことがあるのです。そのため、自己評価を高め、自尊心を回復するような関わりを心理療法の中で行っていくことが有効といわれています。

適応障害といった言葉を聞いたことがありますか。適応障害はある特定の状況や出来事がその人にとってとても辛く耐えがたく感じられ、そのために気分や行動に症状が現れる病気の一つです。最近ではテレビといったメディアでも耳にすることが多くなった病気の名前の一つかもしれません。

適応障害とは

適応障害とは、ストレスによって引き起こされる情緒や行動の症状のことで、社会的機能が著しく阻害されている状態を指すといわれています。ストレスとは、さまざまなものを指しており、災害や事故といったものから個人的な出来事まで多種多様なものを含みます。個人のストレスの感じ方は異なるので、同じストレスがかかったとしても、適応障害になってしまう人もいれば適応障害にならない人もいます。ですから、ある人にとってある生活の変化や出来事がその人にとって重大で、普段の生活が送れないほどの情緒的な不安定さを引き起こしている場合に適応障害と診断されるのです。

適応障害の患者さん

適応障害の生涯の発症率は欧米においては1%程度であるといわれています。日本での末期がんの適応障害の有病率は16%となっています。しかし、適応障害と診断されたとしても5年後には40%の人にうつ病など別の診断名がつくといわれています。したがって、この適応障害の診断は、何か重篤な精神障害の予兆としてみることもできる病気です。

適応障害の症状

適応障害の症状には、抑うつ気分、不安、怒り、焦りや緊張といった情緒的な症状がみられます。また、飲酒やむちゃ食い、無断欠勤といった行動面にも症状が現れます。不安が強くなると冷や汗をかいたり、どきどきしたり、めまいといった症状を呈する患者さんもいらっしゃいます。適応障害に特徴的なことは、その人のストレス因から離れると、通常通りの日常生活が送れますし、趣味を楽しんだりすることもできます。うつ病と診断されると環境が変わったとしてもなかなか楽しい気分を味わうことはできないからです。この点は適応障害の一番の特徴であるといえるでしょう。

適応障害の治療について

適応障害の治療としては、まず第一にストレス因の除去があげられます。その人がストレスを感じていることは何でしょうか。まずは、ストレス因の特定が必要になります。その上で、患者さんの生活からストレス因を排除するための環境調整が行われます。ストレス因が回避可能なものであればよいのですが、ストレス因が家族であるなど除去できない場合もあります。その場合は、次の患者さんの適応力を高める作業に移ります。

患者さんの適応力を高めるために

患者さんの適応力を高めるために通常、認知行動療法が行われます。患者さんのストレス因に対する受け止め方を少しずつ変えていくのです。患者さんは独特なストレス因の受け止め方をしていることがあり、そのパターンを認識させ、変容を図るといったものになります。他には問題解決療法といって、患者さんと専門家で一緒に症状やストレスの受け止め方について解決方法を探っていく心理療法もあります。また、こういった心理療法のほかには薬物療法という手段があります。しかし、薬物療法は対処療法でしかないので、環境調整や心理治療が大きな役割を果たす病気といえます。

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