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親離れ子離れの心理学と家庭内暴力にともなう心の病気や治療

子供がこの世に生を受けた日から、短くなる睡眠時間、追われる家事育児、プライベートな時間を持つことがとても贅沢に感じる日々がずっと続いてきた日常。

そんな、今まで自分を作ってきた芯を抜かれるような寂しさを感じる子離れ、親のそんな気持ちを知ってか知らずが、自分の人生を作り始めるための親離れ、いずれにしても、家族間それぞれの関係性が少しずつ変わる時期でもあります。

しかしながら、この親離れ子離れを、親子双方が潔く受け入れられないと、子供のこれからの人生づくりに影響が出る可能性もあり、まさに家族最大の山場とも言えます。

そんな親離れ子離れについて、今回はお話ししたいと思います。

子離れできない親の心理

子離れできない親の心理的な原因は、ズバリ、「親が自立していない」事にあります。

もし親が自立していれば、自立するための心理的な過程や、その為にあえて「傷つく」事が必要であることなど、身をもって知っているはずです。子供の自我の確立の為には、反抗期が必要である事ももちろん経験済みです。

子離れできない親は、この子供の「自分でやる」事を先回りでやってしまう事で、経験値UPのチャンスを奪っているケースが多くみられます。これはすなわち、子供の自尊心の芽を摘んでいる事にもなります。

親離れの心理

では、子供にとって、親離れとはどのような心理的変化が起きているのでしょうか。発達心理学における親離れとは、子供が親に秘密を持ち始める事だと定義づけられます。この記事を読んで下さっている方にも経験があると思いますが、特に”性”に関しての欲動を持つ事を秘密にすることで、本当は不安な親離れに踏み出すきっかけになります。

すべてを知っている事が当たり前だった関係から、自分の知らない子供がいることを、親は不安がらず受け入れる事が必要なります。

もちろん今のご時世、何があるかわかりませんから、完全に子供任せにすると危険な時もあります。ですので、親は、自分の知らない秘密を作り始めた事を察知したら、「見て見ぬふり」する技術が必要かもしれませんね。

いかがでしたか?

かつては「マザコン」、今は「モンスターペアレント」と、呼び方は変われど、子供を囲いすぎて子供が自立できない現象は、今も昔も変わらないようで、親が子を愛おしく思い守ってあげたくなるのは、子を持つ親としては、大いに理解できます。

しかし、親が本来子供に教えるべきことは、「自分がいなくても、子供が自分で生きていける術を身に着けさせる事」なのではないでしょうか。

そのために親に必要なスキルは、子供が傷つきながらも何かを得ようとするのを、”頑張って”手出しせずに見守る事なのだと、そして傷ついても成し遂げた子どもを抱きしめてあげることなのだと改めて思います。

家庭内暴力についてみていきたいと思います。家庭内暴力は我が国においては子どもが親に対して暴力をふるう現象に対して家庭内暴力という言葉を使っています。しかし、欧米では家庭内暴力という言葉は家庭内で生じる暴力一般指すものとして広い意味を含んでいます。今回は日本の言葉の意味の通り、子どもから親への暴力という狭い意味で家庭内暴力を扱っていきます。

家庭内暴力とは

家庭内暴力とは具体的にはどういったことを指すのでしょうか。激しい身体的暴力のほか、怒声を上げる、罵詈雑言を浴びせるといった言葉の暴力も含みます。また、ものを投げる、ガラスを割る、家具を壊すといった破壊行動も家庭内暴力の一環です。

家庭内暴力にともなう心の病気

家庭内暴力はさまざまな精神障害をともなっていることが多いので、その実態についてみていきたいと思います。神経症レベルとしては、外ではいい子でほかの子と同じくらいで特に問題なくみえるのに家の中でだけ乱暴する子、乱暴が母親だけに向くとか父親だけに向くとかその背後に親子関係の問題があるものがあります。他には、脳の器質的障害、精神遅滞、てんかんといった何らかの身体的基盤を有するケースもみられます。また、統合失調症、非定型精神病、境界性人格障害といった重篤な精神障害をともなうものもみられます。そのため、家庭内暴力というと親子の問題性があるのではないかと考えがちですが、実は精神科の受診が必要である精神疾患をもっているケースは多くあるのです。この場合は、併存する精神障害に対して適切な診断を受け治療を受けることが最優先課題になってきます。

家庭内暴力はなぜ起きるのか

よい子の家庭内暴力というように暴力を起こす前はよい子であったケースが多くあります。こういった子どもたちはあまり自己主張をせず人の意向にしたがって行動する傾向がありますが、その反面言い出したら聞かない、頑固で自己中心的な性格特性をもっています。また、親の特徴としては強迫的な性格傾向をもつことが多く、几帳面で完璧主義傾向があります。そのため、こうした両親のもとで子どもは小さいころから自己主張をせずよい子としてふるまっています。しかし、思春期に入り自律的な行動をするよう求められると、自分が主体的に行動することができなくなり強い不安を感じるようになります。そのため、こういった不安を軽減するために家の中に回避するところから家庭内暴力は始まります。

家庭内暴力の治療について

家庭内暴力は精神障害にともなって生じる場合がありますので、その場合は精神障害の治療を優先させます。そのほか、神経症レベルの家庭内暴力の場合では、薬物療法を行うことがあります。加えて、心理療法において、子どもが自由に自己表現できるような治療を行っていくことがあります。さらに、家庭内暴力のケースでは母親の治療も並行して行っていくことがあります。母親が子供の行動を先回りし操作することによって子どもを動かそうとする傾向がありますので、この傾向の改善を図ります。加えて子どもの要求にしっかりと制限をつけるようにしてもらいます。また家庭内暴力の子どもは退行を示して甘えることがありますが、可能な範囲で受け入れるように支援します。また、父親に対しても子どもとの関係において重要な意味をもちますので、治療に加わってもらうことがあります。

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