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身体完全同一性障害の症状・原因・治療について

心理学

身体完全同一性障害(Body Integrity Identity Disorder:BIID)とは

自身の身体の一部を損傷させたいという願望に囚われてしまう世にも稀な精神疾患のことです。

1977年に性科学者及び心理学者であるジョン・マネー博士によって報告された四肢切断愛(apotemnophilia)という現象が身体完全同一性障害の起源であるとされています。

身体完全同一性障害の症状

健康そのものである人が自身の身体の一部分に違和感を覚え、その部分を切断、損傷させたいという強烈な願望あるいは強迫観念に囚われてしまうこと、実際に損傷させてしまうことの二つが身体完全同一性障害の症状です。

身体完全同一性障害の人はむしろ五体満足であることに疑問を感じてしまい、異物を取り除いて正常な身体を取り戻そうと身体の欠損を望むと言います。

具体的な症状の例は以下の通りです。

・全盲への憧れから排水パイプ用液体洗剤で両目を潰した女性

・医師に切断させるため自身の脚をドライアイスで凍結させた男性

・背骨を損傷させるために高所からの飛び降りなどの事故を何度も繰り返した女性

・自身の身体を麻痺させるため背骨にアルコール注射をうつ

・自身の身体を散弾銃で撃ちぬく

このような自傷行為に及んでいる際は非常に快感や安心感を伴うとされており、多くの身体完全同一性障害は四肢の切断願望を抱くと言います。

また身体完全同一性障害は自身の身体を損傷させた後のことを考えずに行為に走ることが多いため、実際に欠損してしまった身体で生活するようになって初めて後悔することになると言います。

しかし中には全く後悔などせず、欠損した自分の身体に満足し、周囲から理解を得られなくとも苦にせずに生きている人も居るそうです。

身体完全同一性障害を引き起こす原因

はっきりとした原因は現在もわかっていませんがジョン・マネー博士は四肢切断愛を報告した際に、性的興奮の表れであるとしており、身体完全同一性障害は特殊な性愛、性的嗜好に関係していると見られています。

また右頭頂葉の機能の不具合が原因であるとする説や脳梁の損傷により自分の意思とは無関係に手が動いてしまう「他人の手症候群(エイリアンハンドシンドローム)」と同様の高次脳機能障害説もあり、精神疾患説と意見が二分しています。

身体完全同一性障害の治療

原因が不明で症例が少ないこともあり、明確な治療法は存在しません。

そのため一人一人に即した治療を施していくしか方法はないと言えます。

例えば上述の背骨の損傷を望む女性に対しては車いすで生活をさせ、あたかも彼女が障害者であるかのように扱うことによって自傷行為を抑制できたそうです。

またもし脳の不具合や異常が原因であった場合はそれを矯正することによって身体完全同一性障害を解消できるのではないかと言われており、研究がすすめられています。

身体完全同一性障害のまとめ

身体完全同一性障害とは自身の身体の一部を損傷させたいという強烈な願望あるいは強迫観念に囚われてしまう世にも稀な精神疾患のことです。

身体完全同一性障害の人はむしろ五体満足であることに違和感を覚え、異物を取り除いて正常な身体を取り戻そうと身体の欠損を望むと言います。

原因は不明ですが、特殊な性愛、性的嗜好に関係しているとする説、右頭頂葉の機能の不具合が原因であるとする説、高次脳機能障害説などが原因ではないかと言われています。

原因が不明である治療法も確立されていませんが、周囲の人間があたかも障害者であるかのように身体完全同一性障害の人を扱うことによって自傷行為を抑制できたケースもあり、今のところは一人一人に即した治療を施していくしか方法はないと言えます。

まだまだ謎が多く、命にもかかわりかねない重篤な精神疾患であると言えます。

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