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強迫性障害の原因・性格・治療のポイント6選

外出時に家を出て数歩のところで、盗難や火事が心配になり家に入り直して火元の点検や戸締りを確認したことは、ありませんか?心配性の方なら一度や二度の経験はあると思われます。このような心配事と確認動作が度々あるなら強迫性障害を疑って下さい。

強迫性障害とは

不合理だと本人は、認識していますが、その不合理な行為を繰り返し行なってしまう病態です。言い換えれば、不合理な考えが絶えず思い浮かび(脅迫観念)、その考えに引きずられて同じ行動(強迫行為)を繰り返します。強迫性障害は、不安障害に分類される精神的な疾患で、この強迫観念と強迫行為の両方がないと強迫障害は成立しません。また、強迫性障害は、本人も精神的な疾患とは気づかないことも多い疾病です。

強迫観念と強迫行為の代表例

強迫性障害の具体例は、外出時に泥棒が心配(強迫観念)で、戸締りの確認(強迫行為)を何度となく繰り返すような思考と行動です。強迫観念と強迫行為の代表的な事例として以下のようなものがあります。

強迫観念(心配又は恐怖):火事、泥棒、忘れ物、危険(被害を受ける)、加害(被害を加える)、汚れ、細菌汚染など

強迫行為(確認又は対応):火元の点検、スイッチの点検、戸締り、過剰な警戒、周辺の見回り、手の洗浄、ドアノブの清掃など

また、心配と確認などのペアとは多少異なる組み合わせもあります。それは、打席に立つときに所定の所作(屈伸などの体の動かし方)を行なって、打席に立ち、本人のユニホームの所定のところを触れてバットを構えるなどの本人が決めた手順(一連の動作)に対する拘りです。このような拘りは、だれでもが有するルールの一種で“験を担ぐ”とか“験担ぎ”というレベルです。でも、この拘りに対して、このルールを違えると恐ろしい事が生じるという恐怖など感じて、どのようなときにでも、この所作をするように儀式化されると強迫性障害となります。これは、ルールを破る→恐ろしい事態に陥る(強迫観念)→いつでもルールの適用(強迫行為)というループでと強迫性障害となります。同様に数字(例えば、4、13など)、物体の配置(端を揃える、一定間隔に置くなど)や対称性(鏡面配置、点対称など)に対する拘りもあります。

性格的な特徴

強迫性障害に罹患する方の性格には、ある特徴があることが報告されています。OCCWG(Obsessive-Compulsive Cognition Working Group)という世界的な研究組織が以下の特徴を有するとしています。また、これらの特徴を有する方が、強迫性障害を患うわけではありませんので、ご注意下さい。

①完璧主義:完璧を求めて行動し、完璧でなければ気持ちが悪いと感じます

②脅威の過大評価:小さな心配を過大に受け止め、些細なことでストレスを感じます

③責任の過大評価:必要以上に責任を感じ、問題が生じたときには自分を責めます

④曖昧さへの不耐性:曖昧な事には、耐えられず、白黒の決着を望みます

⑤思考の意味の過大評価:悪いことを考えると実現すると思い、冷静に考えることが苦手です

⑥思考のコントロールへの拘り:自分の考えや感情をコントロールしたがり、コントロールできないと不快を感じます

各々の性格は、プラス面、マイナス面の両面があります。上記の①から⑥の性格は、任された仕事は、責任を持って着実に完璧にやり遂げるという見方ができます。

強迫性障害の方との接し方

強迫性障害の方への接し方の基本として、日本人特集の“角を矯めて牛を殺す”という欠点を見てアドバイスをすることは避けましょう。本人的には精一杯の努力中ですので本人の努力を認めるような言葉がけをして下さい。また、強迫観念→強迫行為のスパイラルの中で、周囲に観念や行為の確認を求めることがあります。その際には、本人からの確認行為に対して、ある程度距離を置いた態度も必要です。周囲が本人の確認行為に応じているとスパイラルが増悪する可能性があります。周囲は、治療には長時間を要することを理解することが必要です。

強迫性障害の治療法

強迫性障害は、原因不明の状態にありますが、セロトニンという神経伝達物資に異常があることと強迫観念に対して対処しようと行動すること自体に問題があります。後者は、病気のメカニムズが病気の原因という判り難さにあります。強迫観念→打ち消し→強迫観念の増悪→増悪された強迫行為という負のスパイラルに陥ります。

強迫性障害の治療は、投薬療法と認知行動療法の二面作戦となります。投薬療法では、抗うつ薬として用いられているSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用いてセロトニンの量をコントロールします。

認知行動療法は、本人の受取り方の歪みを矯正する心理的な治療方法です。強迫性障害の方に対する認知行動療法は、“暴露反応妨害法”という療法が用いられます。暴露反応妨害法とは、強迫観念(不潔感)に立ち向かい、不安や恐怖を打ち消す強迫行為(手の洗浄)を我慢するという行動療法です。要は、外出時のカギの点検(確認)を我慢するといったことです。このように、暴露反応妨害法は、不安に立ち向かうと同時に確認行動の我慢、という過酷な治療となりますので、障害に詳しい専門家の正しい指導のもとで行われます。

強迫性障害の克服に向けて

火事や泥棒が心配で頻繁に行なっていた火元や戸締りの確認は、単なる神経質といった性格に起因する行動と考えていた裏側には、強い不安感(強迫観念)と不安感を打ち消すための行動(強迫行為)という場合があります。これが強迫性障害の例ですが、本人や周囲にも分かり難い疾患です。強迫性障害は、発見し難く治療に長期間を要する疾患で、投薬による治療と認知行動療法の二正面作戦となります。特に認知行動療法が主役となり、暴露反応妨害法という本人にとって確認行動を控えるという我慢を強いることになります。本人と周囲の関係も、本人の良い点を認めつつ、確認行動には一歩引いた態度が必要となります。

強迫性障害(Obsessive–compulsive disorder:OCD)とは

強烈な不安から非合理的な行動を繰り返してしまう精神疾患のことです。

強迫性障害の症状

強迫観念(Obsessions)とそれを打ち消そうとする強迫行為(Compulsions)の二つが強迫性障害の症状です。

強迫観念や強迫行為は人間誰しもに見られることですが、強迫性障害の人は強迫観念という名の不安を打ち消すための強迫行為に精神的苦痛を感じています。

つまり強迫観念や強迫行為が常人よりも執拗であるため、一日の大半を強迫観念と強迫行為に囚われてしまい、当人がそのことに苦痛を感じている状態が強迫性障害であると言えます。

具体的な強迫観念と強迫行為の例は以下の通りです。

・自身の身体の汚れが気になり何度も手や身体を洗う

・家の鍵が掛かっているかどうかを執拗に何度も確認しなければ気が済まない

・落としてしまうことが怖くて胎児を抱き上げられない

・自分が自傷してしまうことを恐れる

・自分が自殺してしまうことを恐れる

・疾病に対する恐怖から血液などを異常に恐れる

・自身が神仏に対して不道徳な行いをしたのではないかと恐れる

・物の順番や正誤が気になり何度も確認しなければ気が済まない

・大切なものまで捨ててしまうことを恐れてゴミを捨てられない

・不吉なものを恐れて「4」という数字などを異常に避ける

・自身が恐れるものを口に出して話すことができない

このような過剰な恐怖を抱いたり大袈裟な回避行動を取ってしまうのが強迫性障害の症状であると言えます。

その上これらが過剰であり、自身の観念や行為が如何に不合理であるかの自覚が強迫性障害の人にはしっかりとある場合が多く、それゆえ苦痛を感じ疲弊しても誰に相談することも出来ずに一人思い悩んでしまうと言います。

時には日常に支障をきたし、離職を余儀なくされることもあります。

また巻き込み型と呼ばれる他者にも自身の強迫行為を強要するケースもあり、その場合は自身だけでなく周囲も疲弊させてしまう上、周囲が強迫行為を行うことで症状が悪化してしまいます。症状が悪化するとうつ病や統合失調症などのほかの精神疾患の発端となってしまう場合もあるため注意が必要です。

強迫性障害を引き起こす原因

強い不安によるストレス、あるいは「セロトニン」や「ドーパミン」といった神経伝達物質の異常も関係していると見られています。

真面目で几帳面、あるいは自己中心的な性格の人は発症しやすいとされており、若年で発症することが多く、高齢での発症はあまり見られません。

また発症者の男女比に差はなく男性でも女性でも等しく強迫性障害を発症する危険性を孕んでいます。そして多くの場合が一気に強迫性障害に陥る訳ではなく徐々に症状が現れ始めるそうです。

強迫性障害の治療

認知行動療法や曝露反応妨害法などの精神療法が主な治療法であり、抗うつ剤、抗精神薬、漢方薬などを使用した薬物療法が行われることもあります。

強迫性障害は時が解決してくれるようなものではないため、放っておけば延々と苦痛に苛まれ続けることになります。

できるだけ早く病院へ行くことが治療に必要なことですが、強迫性障害の人が自ら病院を訪れることはあまり見込めないため、周囲が気に掛けることが必要になります。

強迫性障害のまとめ

強迫性障害とは強烈な不安から非合理的な行動を執拗に繰り返してしまう精神疾患のことです。

強迫性障害の人は一日の大半を強迫観念と強迫行為に囚われてしまい、そのことに苦痛を感じていますが、それでも不安を打ち消すために強迫行為をやめられないのです。

原因は強い不安によるストレスと神経伝達物質の異常が関係していると見られています。

主な治療法は精神療法であり、薬物療法が行われることもあります。

強迫性障害は適切な治療を行わなければ中々解消せず、症状が悪化すれば他の精神疾患を招く原因にもなりかねないため、非常に深刻な精神疾患であると言えます。

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