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全般性不安障害や双極性障害の原因・治療・接し方の8つのポイント

“杞憂”、“杞人の憂い”、という言葉を知っていますか?古代中国は周の時代に杞という国があり、空が落ちてこないかを心配した人がいました。ここから、起こるわけのない事を心配することを“杞憂”とか“杞人の憂い”と表現しています。全般性不安障害は、杞憂に終わるでしょうか?

全般性不安障害とは

不安障害という疾患があります。不安障害と全般性不安障害は、なにが違うのでしょうか?不安障害は種々の疾患を含む概念の広い障害です。不安障害には、パニック障害、社会不安障害、全般性不安障害、恐怖症が含まれます。即ち、全般性不安障害は、不安障害の部分集合となります。

全般性不安障害とは、不安障害に分類される疾患で、種々の状況(イベント、環境、活動など)に対して過剰な不安が長期間継続し、仕事や生活に支障を来たします。冒頭で述べた杞憂のように空が落ちてこないかを心配している状態です。

また、全般性不安障害は、性格的な心配性とは、異なり疾患です。

不安と恐怖

日常生活では、不安と恐怖を区別することは難しいのですが、精神的な疾患で不安と恐怖を用いる場合には、明確な区別があります。

不安とは、明確でない対象(特定できないもの)に対して抱く恐れであり、恐怖とは、特定の対象に対して抱く恐れです。なにかが特定されていれば、高所恐怖症というような命名になります。

全般性不安障害の症状

全般性不安障害は、身体面と精神面の両面に症状がでます。また、これぞ、全般性不安阻害という特徴的な症状はなく、多種多彩な症状を呈します。自律神経失調症と間違われることもあります。

身体的な症状は、疲労感、頭痛、肩こり、悪寒や微熱感などで、精神的には、自分ではコントロールできない過剰な不安感(社会、仕事、家庭、家族、自分の健康などに対して)で仕事や生活に集中できなくなくなります。その他の精神的な症状として、イライラ感、刺激に対する過剰反応などです。また、種々の精神疾患に見られる寝つきの悪さ、途中覚醒があります。

また、不安を紛らわせるために飲酒量の増加と習慣化でアルコール依存症となる場合もあります。更に、全般性不安障害が増悪することで、うつ病や他の不安障害の併発を伴うこともあります。

全般性不安障害の方との接し方

全般性不安障害の方との接し方としては、疾病の特質を理解した上で、いつもと同じ様に対応することを心がけて下さい。また、傾聴を心がけて下さい。本人は、不安感に満ち溢れていますので、ネガティブな助言や言葉がけは控えましょう。本人の不安感が増悪します。

全般性不安障害の発症の傾向

女性の方が男性比1.5倍から2倍で罹患しやすく、若年層に多く見られます。また、全般性不安障害に罹患しやすい性格的な特徴は、見出されてはいませんが、不安障害に見られるように心配性の方が発症しやすいといわれています。

全般性不安障害の原因

全般性不安障害の原因は、まだ明確に解明されていません。ある条件を満たすと発症するという単純な疾患ではなく、様々な要因系が複雑に絡み合って発症するようです。様々な要因系のひとつにストレスがあります。長期間ストレスに晒されると全般性不安障害に進行するようです。あたかも、水滴が岩石を穿ち突然穴があくように精神を蝕み限界を超えると発症するようです。

また、全般性不安障害は、神経伝達物資であるセロトニンの作用が不安定化し、体質的要素と相まって疾病を誘発可能性も指摘されています。

全般性不安障害の治療法

全般性不安障害の治療法は、投薬と心理的なアプローチの2本立てとなります。投薬治療に用いられる薬剤は、抗うつ剤と抗不安薬です。即効性があるのは抗不安薬ですが、副作用(耐性や依存性)の問題から長期の服用は、避けたいところです。抗うつ剤は、効果が発揮するまで時間を要しますが、副作用(耐性や依存性)の問題が無く、長期の渡る使用でも安全に使用できます。このようなことから、投薬については、本人のQOL改善の観点から、抗不安薬で不安感を低減させて、抗うつ剤へ移行します。

心理的なアプローチとしては、認知行動療法や自律訓練法が用いられます。認知行動療法では、本人が不安を感じるクセ(自動思考)を認識し、そのクセ(認知の歪み)の特徴を把握して不安を生じさせるプロセスを矯正させます。

ひとは、不安や恐怖を感じると緊張(体が強張ります)しますので、体の緊張(強張り)を解すことにより、不安感や恐怖感を消し去ることが可能です。これを体系立てた方法が自律訓練法です。緊張(不安を感じたとき)したときに腹式呼吸による深呼吸も有効な方法です。

また、一定のリズムある生活習慣を確立することも全般性不安障害の改善に役立ちます。就寝・起床時間を一定にし、充分な睡眠時間の確保、朝起きたら日光浴をして体をリセット、栄養バランスの取れた食事を三食とるなどです。さらに適度な運動を行なうことで、ストレスの解消やリラックスできます。

全般性不安障害を乗り越えよう

全般性不安障害は、杞憂に終わる精神疾患でなく、だれでもが罹患する可能性のある精神疾患です。本人は、如何ともし難い不安に苛まれて仕事や生活に支障をきたします。男性よりも女性の若年層に発症しやすく原因は、明確ではなく、様々な要因が絡み合って発症するようです。周囲の方は、疾病の特質を理解した上で傾聴の姿勢を持って本人の話を聴くようにして下さい。治療は、投薬と心理的な治療の2面作戦となります。真理的なアプローチとして認知行動療法や自律訓練法が用いられます。また、生活習慣の改善や適度な運動を習慣化することも病状改善に役立ちます。

双極性障害(Bipolar disorder)とは

気分が落ち込むうつ状態と気分が高揚する躁状態を繰り返す精神疾患のことです。

躁うつ病とも呼称されます。

双極性障害の症状

躁状態があること以外は通常のうつ病と同じように思われますが双極性障害とうつ病は似て非なるものです。

うつ状態の際は気分の落ち込み、興味の喪失、食欲や体重、睡眠量の異変など通常のうつ病と同じような症状が現れます。

また躁状態の際の行動を後悔することが多く、それがうつ状態を増長させます。

対して躁状態の際の症状は多弁、多動、ほとんど眠らない、集中力散漫、異常な熱意、自分はすごいという誇大妄想などであり、積極的に人と関わろうとします。どんなに動こうとも一切疲れを感じることはなく、精神的にも爽快である場合が多いです。

仕事に関しても熱心になるため成功を収めることもあります。

しかし衝動的で深く物事を考えなくなるため、離婚や離職に走ったり、自身の経済力を考えない借金などで金銭トラブルを起こしたり、強引な人とのコミュニケーションの取り方から問題を起こしたりすることも多いと言います。しかもそれが問題であることも気分が高まっている躁状態の人には認識できないのです。

また悪化すると焦燥感が生じ攻撃的になる場合もあります。

加えて双極性障害の人にはうつ状態に対する自覚はあっても躁状態を自覚できないことがほとんどです。

混合状態と呼ばれるうつ状態の躁状態の両方の症状が一度に現れることもあります。

気分は落ち込んだうつ状態のままであるのに躁状態の行動力を有するため自殺リスクが高く、非常に危険な状態であると言えます。

また双極性障害は他の精神疾患を併発する可能性が高いと言われています。

双極性障害の治療

薬物療法が主な治療法になります。

双極性障害ではうつ状態を持ち上げる薬のほかに躁状態を抑制する薬と再発を予防する薬も必要になります。

双極性障害の人に安易に通常のうつ病で処方される抗うつ剤を使用すると効果がないどころか躁転を招くことがあり非常に危険です。

しかし双極性障害はうつ状態の期間の方が長くなりがちであり、躁状態の際に本人の自覚が乏しいことから診断が非常に難しく、うつ状態から症状が発現した場合もうつ病と診断されてしまうため適切な治療が行われず症状が悪化してしまうことがあります。

通常のうつ病の症状に加えて以下のような特徴を持つ場合は双極性障害である可能性が高くなるとされています。

・家族に双極性障害を患っている人がいる

・若年での発症

・幻覚や妄想がある

・過眠や過食がある

ただしこのような症状が発現していても必ずしも双極性障害というわけではないので注意が必要です。

また双極性障害は適切な薬を処方することができればほとんどの場合は回復しますが、再発もしやすいため継続的に予防薬を服用していかなければなりません。

予防をせずに症状の再発を繰り返してしまうと回復と発症の期間が次第に短くなり1年に4回以上躁状態とうつ状態を繰り返す急速交代型(ラピッドサイクラー)と呼ばれる状態に陥っていきます。

この急速交代型という状態は抗うつ剤の使用で躁転を繰り返すことでも発症する危険性があります。

状態がここまで悪化してしまうと薬も効きづらくなるため非常に深刻な精神疾患であると言えます。

双極性障害のまとめ

双極性障害とは気分が落ち込むうつ状態と気分が高揚する躁状態を繰り返す精神疾患のことです。

双極性障害のうつ状態は躁状態との落差から重くなりやすく、躁状態の際にはその多弁多動から人間関係のトラブルを引き起こしやすい傾向があります。

またうつ状態の躁状態の両方の症状が一度に表れる混合状態では気分は落ち込んだうつ状態のままであるのに躁状態の行動力を有するため自殺リスクが非常に高まり、非常に危険です。

主な治療法は薬物療法になりますが、双極性障害は診断が難しく、通常のうつ病と判断されて安易に抗うつ剤を使用すると躁転や急速交代型化を招き症状が悪化してしまうことがあります。また症状が回復しても再発の危険が常に付きまとうため予防薬を服用し続けなくてはならないため非常に深刻な精神疾患であると言えるでしょう。

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