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拒食症や過食症といった摂食障害と境界性パーソナリティ障害の症状と治療について

摂食障害という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。一般的には拒食症とか過食症として呼ばれていることが多い病気です。患者さんには若い女性の方が圧倒的に多いですが、男性の患者さんなども珍しくはありません。摂食障害は個人や家庭の問題だけではなく社会や文化的な背景とも関連の深い病気であるといわれています。現代では日本や欧米では多くみられますが、発展途上国ではほとんどみられません。飽食の時代であるからこそ、の病であるといえます。

摂食障害の症状(拒食症)

拒食症を発症すると食事量が減り、自分が決めた低カロリーの食品しかとりたがりません。食後に自分で嘔吐していたり、下剤を乱用したりするケースもあります。このような状態が続く結果、高度の体重の減少をきたします。拒食症と診断された場合、体重減少の程度は本人の元の体重の15%以上とすることになっています。他の病気では体力は当然低下しますが、この病気ではやせているのにむしろ活動的になるのが特徴的です。

摂食障害の症状(過食症)

過食症は精神的ないらいらや抑うつ、自己嫌悪といった感情を伴います。過食症の状態になると、活動性は低下してひきこもり、人に会いたがらなくなります。外では普通であっても家庭内では、親に対して依存的になったり母親を独占したがります。摂食障害のきっかけはダイエットがほとんどですが、単なるダイエットの病気であるとはいえません。発症に際しては思春期の葛藤や挫折体験などさまざまな心理的な葛藤状態に置かれています。現代の女性がもっているさまざまな葛藤が摂食障害といった形で表現されていると考えることができます。

摂食障害の患者さんについて

拒食症では病気といった自覚がない方が多いため、患者さんに治療を受けてもらうことに一つ大きな困難があります。本人の意思を無理して治療を強要したとしても決して良くなることがありません。そのため、患者さん自身が治療意志をもち、患者さん家族と病院との間に信頼関係があることがとても重要になっていきます。この病気に関しては治療がスムーズに進むことはまれで、回復までに非常に困難を極めることが多いです。摂食障害をみてくれる専門の治療施設はまだ十分な数がないため、なかなか治療を受けられない人もいます。

摂食障害の治療法について

患者さんの行動に制限を加えながら精神療法を行っていく行動療法といった治療法をとることがあります。ほかには、家族療法という治療法があり、患者さんだけではなく家族も一緒にカウンセリングを受ける形をとることがあります。この病気に対する認識や患者さんに対する接し方について家族の方にも学んでもらうのです。また、家族間の関係性について調整を行うこともあります。薬物療法も行われますが、服薬を拒否されるケースも珍しくありません。そういった場合には、無理に服薬をさせないこともあります。やせの状態がひどく体重が35キロ以下になっているような場合には、入院を検討することがあります。単に食べるとか食べないといった症状に目を向けるのではなく、なぜ患者さんはそのような状態にあるのか、心理的な背景について考えることが重要になります。

境界性パーソナリティ障害(Borderline personality disorder:BPD)とは

自己のアイデンティティに慢性的な不安を抱えるパーソナリティ障害のことです。

ボーダーラインまたは情緒不安定パーソナリティ障害(Emotionally unstable personality disorder)とも呼称されます。

境界性パーソナリティ障害の症状

人に見捨てられることに対しての不安感、自分が何者であるか分からない、気分の落ち込み、他者への強い依存、情緒不安定、感情の抑制が困難、パニック発作、不眠、過食、拒食、自傷行為、自殺企図などが主な症状であり、その心理や行動に一貫性が見られず衝動的であることが多いです。

境界性パーソナリティ障害の人の情動は過敏で大袈裟であり、他者に自分勝手な期待を抱き、自分勝手に失望して憎むこともあります。二極思考であり、対人関係は専ら極度の依存か極度の拒絶になります。また依存対象は種々様々であり、アルコール、薬物、セックス、ギャンブル、買い物、万引きなど多岐にわたり、それらが原因でトラブルを引き起こしてしまうこともあります。

依存の理由は強い見捨てられ不安によるものであり、境界性パーソナリティ障害の人の行動の根底にあるのはほとんどがこの不安であると言えます。拒絶も理由は同じであり、相手が自分を受け入れてくれるかの確認行為にほかなりません。

ともすれば他者を振り回しがちな行動から境界性パーソナリティ障害の人は他者を支配しようとしていると思われがちですが決してそうではありません。

この強すぎる不安により何をしても幸せを感じることができないため、様々なものに依存してしまったり、恐怖から突き放してしまったりしているだけなのです。

また自傷行為や自殺企図を行うことがうつ病などの精神疾患と比べても非常に多く、例え本当に死を願っての行為ではなく、不安解消のための行為であったとしても行き過ぎた自傷行為によって命を落としてしまうことも少なくありません。

他の疾患を併発していることも多く、うつ病、不安障害、摂食障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、アルコール依存症、他のパーソナリティ障害などの併発症が見られます。

境界性パーソナリティ障害を引き起こす原因

明確な原因は不明ですが、育った環境が大きく影響していると見られています。

特に親子関係の不和による愛情の欠如が原因であると考えられており、幼少期に受けた虐待や母親の過干渉などのトラウマや強いストレスが発症を招くとされています。

また遺伝的に境界性パーソナリティ障害になりやすい要素を持っている人も存在するそうです。

境界性パーソナリティ障害の治療

認知行動療法、支持的精神療法、精神分析的精神療法などの精神療法あるいは抗うつ剤や抗不安剤、睡眠薬などを使用した薬物療法が治療法として挙げられます。

ただし境界性パーソナリティ障害は自殺行為として大量服薬をするケースが多々見受けられるため薬物の処方には注意が必要です。

とはいえ最も大切なことは本人の治療への意志と周囲の協力です。

境界性パーソナリティ障害の人はその強い不安から周囲を振り回すことがしばしばあるため、まともに取り合えば心を病み精神疾患を患うことにもなりかねません。

したがって適度な距離を保ちつつも境界性パーソナリティ障害の人の存在を肯定してあげることが一番良い付き合い方であり、治療の手助けにもなる方法であると言えるでしょう。

境界性パーソナリティ障害のまとめ

境界性パーソナリティとは自己のアイデンティティや人に見捨てられることに対しての強い不安感を抱えるパーソナリティ障害のことです。

その強い見捨てられ不安から境界性パーソナリティの人は極度に他者に依存したり、自分を受け入れてくれるかどうかの確認のためにしばしば他者を振り回します。

原因は不明ですが、育った環境、殊に親子間の不和による愛情の欠如が影響していると見られています。

治療には精神療法や薬物療法が使用されますが、最も大切なことは本人の意志と周囲の協力です。

本人は勿論、周囲の人が境界性パーソナリティの人に振り回されないように適度な距離を保ちつつ、相手の存在を肯定してあげることが一番の治療の手助けになると言えるでしょう。

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