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広汎性発達障害や産後うつ病の症状と治療について

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広汎性発達障害という言葉を聞いたことがありますか。広汎性発達障害はひろく自閉症のことを指しています。広汎性発達障害の中心的な障害である自閉症はアメリカの児童精神科医のカナーによって報告が初めてされた障害です。広汎性発達障害は現在国際的に共通な診断基準によって診断されています。

広汎性発達障害の症状について

広汎性発達障害には主に3つの症状があります。一つ目は対人関係の障害をいいます。乳幼児期からでてくる症状であり、特に乳幼児期は母親との関わりがうまくいかないということがあります。母親に甘えたりお友達と一緒に遊んだりすることが少なく、一人遊びをすることが多いです。視線が合いにくいといった特徴もあります。二つ目の症状は言葉を含むコミュニケーションの障害をいいます。多くの広汎性発達障害の子どもたちは言葉の発達が遅れます。また、言葉がでていたとしても人との関わりの中で上手に会話ができる子は少ないです。独り言のように話していたり、場面に関係なくしゃべってしまったり、オウム返しになってしまったりといった特徴があります。3つ目には執着的で常同的な興味関心といった症状があります。これは、興味関心が限局的になっていることを示しており、交通標識や数字やマークなどに興味を持つ子もいます。また、習慣を変えることに対して非常に強い抵抗感を示すことがあり、同じ道順でないと嫌がったりします。また、常同行動といってパターン化した行動を習慣的に行うことがあります。体を前後に揺らしたり肩をたたいたりぴょんぴょん跳ねたりすることがあります。

広汎性発達障害の患者さんの実態

広汎性発達障害の有病率は1%といわれています。男女比は男性のほうが女性の3倍ほどですが、社会階層や民族による差はないです。広汎性発達障害の3%ほどを自閉症が占めているといわれます。広汎性発達障害は過去に母親の不適切な養育のために自閉症を引き起こしたという間違った解釈をされていた時期がありました。しかし、それは間違っており、現在は原因について医学的研究がなされています。なんらかの要因によって脳の機能の成熟が障害されることによって特徴的な発達や行動の異常が出現すると考えられています。この広汎性発達障害の原因については研究が行われており、今後の研究結果が期待されます。

広汎性発達障害の治療的対応

現在のところは、広汎性発達障害の根本的な治療方法はありません。また、広汎性発達障害を改善するための薬物等もありません。そのため、広汎性発達障害のお子さんに対しては、発達のサポートを行っていくことが重要になってきます。まずは療育による発達サポートがのぞまれます。まだそれほど多くはありませんが療育施設などもたくさんできていますので、そういった施設の利用も視野に入れましょう。また、第二には問題行動に対する対応を考える必要があります。誤飲や事故といった患者さんに不利益になるような問題行動は改善できるよう支援しましょう。また、第3には医学的な合併症をお持ちの場合には、合併症への医療的なケアを忘れずにすることが重要です。また、学齢期になれば適切な就学先を探すことが大事です。ご家族には長い目でみてお子さんを見守っていく姿勢がのぞまれます。

産後うつ病について今回はみていきたいと思います。産後うつ病の発症期間は研究者によって異なりますが、だいたい分娩2週間から12か月目までと幅があります。この産後数か月の間に発症するうつ病のことを、産後うつ病と呼んでいるのです。

産後うつ病について

産後うつ病の頻度は欧米では3から26%といわれていますが、日本では5から8パーセント程度といわれています。産後うつ病の症状は通常のうつ病と同様の症状を呈します。しかし、産後は特殊な状況にあるため、症状の評価が難しいのが常です。例えばうつ病には不眠(眠れない、途中で覚醒してしまう)といった症状がありますが、産後すぐの状況では夜間に赤ちゃんが泣くために授乳等で母親は起きざるを得ない状況にあるからです。そのため、母親が夜眠れないという訴えをした場合にも、その発言だけでは産後うつ病とはいえないのです。

産後うつ病の原因について

産後うつ病の原因については十分にはわかっていません。妊娠中に徐々に変化してきたホルモンバランスが出産によって急に元に戻るということがあり、このホルモンバランスの変化が産後うつ病に関連していると考えられています。また、ほかには産後うつ病は母親になったという心理的社会的な変化にもあるとも考えられます。特に一般的な対人的な支援のほか、配偶者の支援などが不足している場合、産後うつ病に罹患することが多いともいわれています。情緒的に不安定な性格傾向をもっている女性の場合には産後うつ病にかかる可能性も高いといわれています。特に前回の出産ののちに産後うつ病を経験した女性は今回の出産に際しても産後うつ病を発症する可能性は高いでしょう。

産後うつ病の治療について

産後うつ病の治療としてまず重要なことは、女性やその家族が産後うつ病という言葉があり、産後にうつ病の症状になりやすいことを認識することです。最近では、出産日が近い妊産婦でグループをつくることが多いといわれており、こういったグループの中での活動が産後うつ病の症状を軽減させることがあります。妊娠や出産、育児に関する情報の交換だけではなく、心理的な支援を相互に行うことができ、治療や予防にとってとても有効です。産後うつ病の人は母親として失格だなどと感じてしまうことがありますが、決してそうではありません。うつ病の症状があり苦しい状況であるにも関わらず自分の中に気持ちを閉じ込めて、感情を吐露できない女性も多くいます。周囲の人は妊産婦の方が自分の気持ちを表現できるよう、温かく見守っていく姿勢が期待されます。

産後うつ病と夫のこころの問題

産後のこころの問題について、今までは女性のものとして考えてきました。従来は子の出産によってうつ病になるのは女性だけと考えられていましたが、近年の研究では夫もうつ病にかかるといわれています。妻の産後うつ病が産後数か月で発症する一方、夫の産後うつ病は生後6か月を超えてから発症することが多いのです。夫の産後うつ病の危険因子は妻の産後うつ病の有無です。妊娠出産、子育てという一連の出来事は女性だけのものではなく、夫婦単位の出来事であり、家族の問題として考えていく姿勢がこれからは必要になってくるといえるでしょう。

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