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パリ症候群や感応精神病の症状・原因・治療

心理

パリ症候群(Paris syndrome)とは

パリに居住している異国人が発症する適応障害のことです。

1991年に日本の精神科医の太田博昭が自著「パリ症候群」を発表したことで広く知られるようになった症候群であり、比較的最近明らかとなった適応障害であると言えます。

またパリ症候群に罹る異国人は日本人女性が圧倒的な割合を占めています。

パリ症候群の症状

理想のパリと現実のパリの落差に対するカルチャーショックから、不安、めまい、対人恐怖、外出恐怖、自己嫌悪、被害妄想などうつ病と類似した症状が現れます。

また文化や言語の違いからコミュニケーション不全に陥りやすいことや、異国を訪れているために生じる孤独感や不安感が尚更抑うつ状態に拍車を掛けてしまうこともあります。

症状が重篤化すると自殺未遂にまで発展してしまうこともあるため、決して軽視することはできない適応障害であると言えます。

パリ症候群を引き起こす原因

一番の原因はパリという街にあまりにも高い理想を描いていることです。

「ブランド品を身に着けた洒脱な人々が美しい街並みを歩いている」と言うような絵画のように幻想的で現実離れした理想を抱いているため、いざ現実のパリを目の当たりにすると理想と現実のあまりの落差にうつ状態にまで精神状態が落ち込んでしまうのです。

殊に日本人はパリへの憧れが強く、日本人の大半は優雅で華やかな経験をしたいがためにパリを訪れます。テレビ番組やファッション誌もパリの良い情報しか伝えない傾向があり、テレビ番組やファッション誌に最も親しんでいる若い日本人女性に発症者が多いことからもそれがうかがえます。あるいは裕福な家庭で育ち、辛い経験したことがない留学生などにもパリ症候群を発症してしまう人が多いと言われています。

また日本人にパリ症候群を発症してしまう人が多いのは、排他的で個人主義的なフランスと日本の文化がほぼ対極に位置していることも、より落差や被害妄想を抱いてしまう原因になっているのかもしれません。

そもそも生まれも育ちも日本であるというような生粋の日本人には、パリの街は暮らしにくい場所であることがほとんどなのです。

パリ症候群の治療

パリ症候群の一番の治療法はパリを離れることです。

そうすれば嘘のように症状が解消してしまうと言います。

逆に言えば、パリを離れなければ症状を改善することは難しいと言えます。

パリ症候群罹患者は入院治療を必要とするほど症状が重篤化してしまうことが多く、上述の通り自殺に走ることもあるため治療には早急な対応が望まれます。

パリ症候群のまとめ

理想のパリと現実のパリの落差に対するカルチャーショックからうつ病と類似した症状が表れる適応障害のことです。

罹患者のほとんどは日本人女性であるとされており、パリ症候群を引き起こす原因であるパリに対しての理想が高すぎることとパリの文化が日本の文化と対蹠的であることが原因であるとされています。

また日本人がパリに対して持つイメージには、パリの良い点しか伝えないメディアの偏向的な情報発信も大きく影響していると見られており、メディアリテラシーを持つことがパリ症候群の予防ひいては自己防衛のために必要なことであると言えるでしょう。

あまり先入観にとらわれすぎずにしっかりと自分の目で物事を判断することが大切です。

感応精神病とは

近しい間柄である二人以上の人間が妄想などの精神病的症状を共有して発症してしまう精神障害のことです。

かつてはこの病の発見者であるフランスの精神科医チャールズ・ラゼーグ(Charles Lasègue)とジャン・ピエール・ファルレ(Jean-Pierre Falret)にちなみラゼーグ・ファルレ症候群(Lasegue-Falret syndrome)と呼ばれていました。

またフランス語で二人狂いという意味を持つフォリアドゥ(Folie à deux)、あるいは二人組精神病とも呼称されます。

感応精神病の症状

妄想性障害の一つであり、一人の妄想が家族や恋人、介護人などの密接な関係にある者同士に伝染していくことが感応精神病の症状です。

その妄想に伴い、幻覚や失神、錯乱状態に陥り、妄想の性質によっては自殺や他害に発展します。

抱く妄想は被害妄想であることがほとんどです。

二人で高速道路の車の前に身を投げた双子のウルスラ・エリクソンとサビーナ・エリクソン姉妹や住居侵入型の妄想を共有していたマーガレットとミッチェル夫妻などが感応精神病の例として挙げられます。

感応精神病を引き起こす原因

感応精神病には以下のような発生条件があります。

・精神疾患を患った人物がいること

・外界から孤立した閉鎖空間であること

・孤独感や不安感を抱えていること

このような条件が揃うとまるで伝染病のように精神病を共有してしまう感応精神病を引き起こす可能性が高まるとされています。

また女性の家族間で発生することが多いとされ、気性が素直な人も感応精神病に陥りやすく、感応精神病を引き起こすトリガーとなる精神疾患を患っている発端者の知的水準が高ければ高いほど整合性や説得力のある妄想を抱くために健康な周囲の人間にまでもその妄想が波及しやすく、閉鎖空間であるためその妄想が常識となれば正そうとする人間も存在しないため感応精神病に陥ってしまいやすいと言われています。

感応精神病の治療

精神疾患を患っている発端者とその妄想に感化されてしまった受容者を引き離すだけでも症状は改善する場合があります。発端者に関しては大元である精神疾患を治療する必要がありますが、受容者には投薬の必要もないことがあるそうです。

あるいは外界との積極的なコミュニケーションを図り閉鎖的な環境を改善することも症状の快方につながることが多いです。

ただ全てのケースに通用する治療法は今のところ存在せず、住居侵入型の妄想など、治療の難しい妄想の場合は引き離しただけでは効果が出ないこともあります。

また一人の妄想が伝染した訳ではなく、二人や数人がそれぞれ精神疾患を患い別々に抱いていた妄想が統合されてしまったケースもあるため、治療法の選択には注意が必要です。

感応精神病のまとめ

感応精神病とは一人の妄想が家族や恋人、介護人などの密接な関係にある者同士に伝染し、共有してしまう妄想性障害です。

それに伴い幻覚や錯乱状態に陥り、場合によっては自殺や他害に発展します。

感応精神病は精神疾患を患った発端者と近しい存在である受容者が閉鎖空間で生活していることが発生の条件とされており、閉鎖空間であるがために妄想の考え方を正してくれるものが存在せず、妄想が常識化されてしまうことが発症の原因であるとされています。

治療には発端者と受容者を引き離すことが効果的ですが、必ずしも効果がある訳ではなく、

死の危険性も孕んでいるため、懸念すべき精神障害であると言えます。

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