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トゥレット症候群やナルコレプシーの症状・原因・治療について

トゥレット症候群(Tourette syndrome)とは

自分の意志とは無関係に急速な発声や身体の一部分の運動が起きる症状が慢性化してしまい日常的に生じてしまう障害のことです。

1885年にフランスの神経科医ジル・ド・ラ・トゥレット(Gilles de la Tourette)によって報告された疾患であり、病名も彼の名前にちなんでいます。

またトゥレット障害と呼称されることもあります。

トゥレット症候群の症状

不随意に起きる突発的で激しい発声や筋肉運動はチックと呼ばれます。

・瞬き、顔をしかめる、首振り、腕振り、白目をむくといった単純運動チック

・物に触る、物を叩く、物を蹴る、ジャンプする、臭いをかぐといった複雑運動チック

・咳払い、鼻をならす、奇声を上げる、卑猥語や罵倒語などの不適切な発言を不随意にしてしまう複雑音声チック

これらのチックが全くの無意識に起きてしまうのがトゥレット症候群です。

したがって本人はやりたくてやっているわけではなく、やめたくてもやめられないため、精神的に不安感を伴いやすく、不安や疲労などのストレスを感じている時には症状は悪化し、何かに集中している時には症状が改善するとされています。

注意欠陥多動性障害や強迫性障害を併発していることが多く、睡眠障害や学習障害、自閉症スペクトラム症、うつ病などを併発していることもあります。

また併発することの多い注意欠陥多動性障害の症状緩和のために使用される中枢刺激薬がトゥレット症候群の症状を悪化させるケースも見られます。

トゥレット症候群を引き起こす原因

原因は明確に解明されてはいませんが、遺伝的要因により運動を司る脳内回路の異常や「ドーパミン」や「セロトニン」といった神経伝達物質の異常ではないかといわれています。

あるいは本人を取り巻く環境も影響していると見られており、繊細で傷付きやすくストレスを感じやすい性格の人も発症しやすいと言われています。

厳しいしつけが発端になることもあれば、目の疲れやかゆみのために瞬きを繰り返したことなどのごく些細なことでも発症のきっかけとなり得ます。

またトゥレット症候群は女性よりも男性に多いとされ、ほとんどの場合が小学校に通うようになる7歳前後あたりから症状が現れ始めます。

トゥレット症候群の治療

主な治療法は精神療法や環境の改善です。

習慣逆転法(ハビット・リバーサル)と呼ばれる認知行動療法が有効であるとされています。

不足したドーパミンを補うことで症状の改善を図るオーソモレキュラー療法(栄養療法)も効果的であり、場合によっては薬物療法や外科手術が用いられることもあります。

また生活リズムを整えること、あるいは何か熱中できるものをつくることも症状の改善につながります。

トゥレット症候群はほとんどの場合成長と共に症状は改善していきます。

しかし完全に症状が解消することはなく、人によっては重い症状がいつまでも残ることがあります。

トゥレット症候群を悪い癖だと思い込み適切な治療を受けずにいる人も多く見られ、殊にトゥレット症候群の子供を持つ親がそう思い込み、チックが生じる度に叱責してしまうと症状の悪化を招きかねません。

発症のほとんどが幼少期であることもあり、自分ではどうすることもできない子供ではなく、まずは親が子供のトゥレット症候群を理解して適切な治療を受けさせることが大切です。

トゥレット症候群のまとめ

トゥレット症候群とはチックと呼ばれる自分の意志とは無関係に急速な発声や身体の一部分の運動が起きる症状が慢性化してしまい日常的に生じてしまう障害のことです。

原因は不明ですが、遺伝による脳内回路や神経伝達物質の異常が影響しているとされており、環境的な要因も症状の悪化につながります。

治療は精神療法や環境の改善が主であり、薬物療法や外科手術が用いられることもあります。

トゥレット症候群は治療可能な障害ですが、多くの人が悪い癖だと思い込んでしまい、治療を施すことのないまま症状を悪化させてしまうこともあります。

幼少期に発症することがほとんどであるため親が子供のことをしっかりと見て、トゥレット症候群という障害を理解し、適切な治療を受けさせることが大切であると言えます。

ナルコレプシーとは

日中に所を選ばず強烈な眠気に襲われる睡眠障害のことです。

ナルコレプシーは2000人に1人の割合で罹患するとされていますが、日本に限れば600人に1人がナルコレプシーであると言われており、殊に日本人に発症者が多い睡眠障害であると言えます。

ナルコレプシーの症状

自分の意志では到底抗うことのできない強烈な眠気(睡眠発作)、強い喜怒哀楽の発露によって全身に力が入らなくなり、ひどい時には床に倒れ伏してしまうこともある情動脱力発作(カタプレキシー)、眠りながらも様々な動作を続けてしまう自動症、金縛り(睡眠麻痺)、幻覚、幻聴などが主な症状です。

ナルコレプシーの人が日中の眠気に抗うことができないのは、ノンレム睡眠からレム睡眠に移行する通常の睡眠とは異なり、入眠直後にレム睡眠に突入してしまうためです。

それが原因となって金縛り・幻覚・幻聴が発生することもあります。

対して夜間はノンレム睡眠とレム睡眠の切り替わりのタイミングで中途覚醒してしまうことが多く、金縛りに見舞われることが多々あります。そのため眠りが浅くなりがちで夢を見る回数が増加し、その夢はほとんどが悪夢であると言います。

またナルコレプシーの症状の一番の問題は周囲の理解を得にくいところにあると言えます。

他者から見ればナルコレプシーの人の睡眠発作は単なる居眠りにしか見えない上、人との対話中や会議中にも発作が起きるため、それが原因となり、職を辞すことにもなりかねません。更に運転中にも睡眠発作は生じることがありえます。重大な事故を招きかねない極めて深刻な睡眠障害であると言えます。

ナルコレプシーを引き起こす原因

睡眠や覚醒を制御する「オレキシン」という神経伝達物質の欠乏が原因であるとされています。

オレキシンが欠乏してしまう原因ははっきりとはわかっていませんが、ナルコレプシーに罹っている人は白血球の血液型(HLA)に偏りが見られることから、何らかの体質的、遺伝的要因が関係していると見られています。

またナルコレプシーは10代で発症することがほとんどであり、高齢になってから発症することはまずありません。逆に言えば長く付き合っていかなければならない疾患であると言えます。

ナルコレプシーの治療

ナルコレプシーの治療は精神刺激薬を使用した薬物療法が主とされています。

また情動脱力発作や金縛りの抑制に抗うつ剤が用いられることもあります。

ナルコレプシーの人自身が夜間の十分な睡眠と日中の仮眠を取ることも予防につながります。

しかしこれらはあくまで対症療法でしかなく、根本的な治療法とはなり得ません。

研究が進むことで、治療法が明確になる日が待たれます。

ナルコレプシーのまとめ

ナルコレプシーとは自分の意志では到底抗うことのできない強烈な眠気(睡眠発作) に襲われる睡眠障害のことです。

他にも情動脱力発作、自動症、金縛り、幻覚、幻聴などの症状が表れます。

睡眠発作は時と場所を選ばないため人との対話中や会議中、更に運転中にも生じることがあります。

原因はオレキシンであるとされていますが、オレキシンが欠乏してしまう原因はまだはっきりとわかっておらず、体質的、遺伝的要因が関係しているという説が有力です。

治療も薬物療法が主とされていますが根本的な治療法は確立されていません。

重大な事故を招きかねない極めて深刻な睡眠障害であるため、早急な治療法の確立が待たれます。

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