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カプグラ症候群の症状・原因・治療について

カプグラ症候群とは

自身に近しい存在が瓜二つの替え玉と入れ替わっていると思い込んでしまう精神疾患のことです。

妄想性人物誤認症候群(Delusional Misidentification Syndrome)の一つとされています。

1923年にフランスの精神科医ジョセフ・カプグラ(Joseph Capgras)とジーン・ルブールラショ (Jean Reboul-Lachaux)によって報告された精神疾患であり、ソジーの錯覚とも呼称されます。

ソジーとはそっくりさんを意味する言葉で現在では瓜二つの替え玉の代名詞となっており、ティトゥス・マッキウス・プラウトゥスの「アンフィトリオン」に登場するマーキュリーが化けた召使の名前がソジーであることが由来となっています。

カプグラ症候群の症状

カプグラ症候群の症状は自身に近しい存在が替え玉と入れ替わっているという妄想を抱いてしまうことです。

症状が進行していくとその妄想も肥大化していき、対象は家族や友人に止まらなくなります。芸能人や政治家といった著名人、更には人にすら止まらなくなり、建築物や国家、世界までもが替え玉と入れ替わっていると思い込むようになります。

例えばカプグラによって報告された最初のカプグラ症候群である53歳のフランス人女性は、自身を高貴な家の出である、悪の秘密結社が子供や市民を地下に幽閉しているというような妄想を信じ込んでいました。そして以下の人物に数人から数千人の替え玉が存在しているのだという妄想を抱いていたそうです。

・自身の子供

・自身の夫

・警察庁の長官

・精神病院の医師

・精神病院の看護婦

・精神病院の患者

・自分自身

また偽物だと思い込んでしまった人に対して攻撃行動に移ることもあります。逆に逃避するために引きこもってしまう場合もあるようです。

カプグラ症候群を引き起こす原因

カプグラ症候群は脳の器質障害が原因であると言われており、統合失調症や認知症、心因性健忘を患う人、または頭部を損傷した人やパーキンソン病、多発性硬化症の人などに見られる症候群です。

妄想性人物誤認症候群の一つとされていますが、相貌認知の障害であるという説もあり、妄想なのか認知の障害なのかは現在も議論が続けられています。

また発見当初は女性に多い精神疾患であるとされていましたが、現在は性別によって差はないと見られているようです。

カプグラ症候群の治療

明確な治療法は確立されていませんが、統合失調症などが原因でカプグラ症候群を発症してしまっている場合は認知療法で認知に働きかけることが効果的であると言われています。

カプグラ症候群罹患者は何らかの病に付随するかたちでカプグラ症候群を発症しているケースが多いため、患っている病に即した治療法を施すことが自ずとカプグラ症候群の治療にもつながります。

しかしカプグラ症候群罹患者はその妄想の性質上、周囲の人間を敵対視してしまうことが多く、そもそも治療を受けることすら拒絶してしまうことも多々あるようです。

カプグラ症候群のまとめ

カプグラ症候群とは自身に近しい存在が替え玉と入れ替わっているという妄想を抱いてしまう精神疾患のことです。

脳の器質障害が原因であると言われており、様々な病に付随するかたちで発症します。

したがって罹患している病に適切な治療法を施すことがカプグラ症候群を解消する一番の近道となります。しかしカプグラ症候群罹患者はその妄想の性質上、周囲の人間を敵対視してしまいやすく、治療が困難なものになることが多々あるため解消することが難しい深刻な精神疾患であると言えます。

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