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エルサレム症候群の症状・原因・治療について

エルサレム症候群(Jerusalem syndrome)とは

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であるエルサレムを訪問することによって生じる宗教的な脅迫観念や誇大妄想などの精神異常を指します。

1930年代にエルサレムの精神病理学者ハインツ・ヘルマンによって言及された症候群であり、かつてはエルサレム熱(fièvre Jerusalemmiene)と呼称され、ヒステリーの一種とみなされていました。女性神秘家マージェリー・ケンプの伝記などの中世の文献にもその症状が記述されており、非常に古くから存在が確認されていた病であると言えます。

エルサレム症候群の症状

「自分は神によって選ばれし者である」と思い込んでしまうことから始まり、不安感を覚える、神経質になる、興奮状態、緊張状態に陥る、エルサレムに対して異常な執着を見せることなどがエルサレム症候群の症状です。

またそういった精神状態から以下のような行動をとるようになります。

・純真無垢であることに拘泥し、病的に体を清めたり、爪を切ったりする

・宿泊しているホテルのシーツ等を用いて、足首までの長さの白いガウンをつくる

・家族等との旅行であっても、単独でエルサレムに行きたがる

・聖書の朗読や聖歌の唱歌を大声でせずにはいられなくなる

・説教、講話を行おうとする

・エルサレムへ行進する

・自分にはエルサレムで果たすべき使命があると思い込む

・自分が救世主の生まれ変わりであると思い込む

特定の場所を訪れることで生じるパリ症候群やスタンダール症候群と異なる点は上述のように宗教的な症状が発現することであると言えるでしょう。

エルサレム症候群を引き起こす原因

信教者は当然のことながら自宗教を敬い、信奉しているため、聖地に対する理想が高く、

したがって理想のエルサレムと現実のエルサレムの違いにカルチャーショックを受けてしまうことが原因だと言われているようです。

また信教者でなくともエルサレム症候群を発症する可能性もあります。

その場合はエルサレムの独特の雰囲気にのまれてしまうことが原因であるようです。

エルサレム症候群を発症してしまう人には元来精神疾患を患っていた人が多い傾向が見受けられますが、全く精神に異常を持たない人でもエルサレム症候群を発症することがあります。

エルサレム症候群の治療

エルサレムを離れる、あるいは数週間経過すれば症状は回復します。

症状が治まった罹患者は一様に良い経験をしたと答えるのだそうです。

命に別状のある症候群ではなく、大半の罹患者は症状が回復するため深刻な病ではありませんが、症状がエスカレートすると他者に迷惑をかけることが多々あるため、無為にしていい症候群ではないと言えるでしょう。

エルサレム症候群のまとめ

エルサレム症候群は種々の宗教の聖地であるエルサレムを訪問することによって「自分は神によって選ばれし者である」と思い込んでしまう精神異常のことです。

理想のエルサレムと現実のエルサレムの違いにカルチャーショックを受けてしまうことが原因であるとされており、エルサレムを離れるか、数週間を経ることで症状は解消すると言います。

命にかかわるような病ではありませんが、他者の迷惑となるような行為をしばしば繰り返すことになるため無為にしていい症候群ではないと言えるでしょう。

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