30Mar

ウェンディゴ症候群とは
アメリカの一部の地域、民族に見られる食人衝動に駆られてしまう精神疾患のことです。
文化依存症候群の一つとされています。
ウェンディゴとはカナダ南部から北アメリカのネイティブアメリカンに古くから伝わる人肉を好むとされる氷の精霊の名前であり、罹患者はウェンディゴに取り憑かれたという思い込みから、人を襲い、食らいたくて仕方がなくなってしまうのです。
ウェンディゴ症候群の症状
初期症状は情緒不安定、食欲低下、身体の内側からの悪寒などです。
症状が進行すると強烈な不安感と恐怖を伴いながら罹患者はウェンディゴに取り憑かれたと思い込むようになります。通常の食事を拒絶するようになり、日常生活能力を損ない始め、自分の身体に噛み付き、自身の内臓が氷で出来ていると思い込むようになり、最終的に周囲の人間が食べ物にしか見えなくなり、人肉を食べたくて仕方なくなってしまうと言います。
ウェンディゴ症候群を引き起こす原因
発症例の多くが食料不足に悩まされることになる冬季であることから、ビタミンなどの栄養不足が原因であるという説が有力視されています。
飢餓に耐えかねて人肉を食した人間がウェンディゴ症候群を発症するケースもあるようです。元来ウェンディゴはネイティブアメリカンにとっては畏怖の対象であり、古くは生贄を捧げて鎮める風習もあったそうで、そういった背景から夢でウェンディゴを見ただけで自分はウェンディゴに取り憑かれていると思ってしまうこともあると言います。
あるいは長い間孤独であった男性に多くの発症が見られることから、厳冬期に家族を養わなければならないプレッシャーが発症の原因ではないかという見方もあるようです。
またウェンディゴ症候群はその文献の少なさや俄かには信じがたい症状から、実は全くの作り話ではないかという説もあるようです。
しかしその土地を訪れただけの旅行者であっても発症する危険性があるという話もあり、真相は今のところまだわかっておりません。
ウェンディゴ症候群の治療
伝承では熊の脂肪やアルコールを飲む、サウナ小屋での儀式といった方法が伝えられていますが果たして本当に効果的であるかは定かではありません。
ウェンディゴ症候群を発症した人は実際に人肉を食べようとする前に部族によって処刑されるか、自ら命を絶ってしまうことがほとんどであり、また上述の通りその資料の少なさから明確な治療法は確立されてはおりません。
ウェンディゴ症候群のまとめ
ウェンディゴ症候群とはアメリカの一部の地域、民族に見られるウェンディゴに取り憑かれてしまったという思い込みから食人衝動に駆られてしまう精神疾患のことです。
症状は以下の通りです。
・情緒不安定
・悪寒
・通常の食事の拒絶
・日常生活能力の損失
・自分を噛むといった自傷行為
・食人衝動
これらの症状を引き起こす原因はビタミンなどの栄養不足であるという説が有力視されていますが、全くの作り話ではないかという説もあり、真相は定かではありません。
治療法も熊の脂肪やアルコールを飲む、サウナ小屋での儀式などがネイティブアメリカンの伝承として伝えられているだけであり、本当に効果的かどうかも不明です。
ウェンディゴ症候群はまだまだ謎の多い精神疾患であると言えます。